マンガヘンレキ

昔読んだマンガの記憶をかき集めた、思い出ブログです。2018年1月、ブログ再開。

70年代、80年代のジャンプ女子

マンガ雑誌って、どんなに分厚くても、読み終えるのなんて、あっという間。
買ったその日に読み切って、ページを閉じると、もう次の発売日が待ち遠しくなる。
当時の私は、重度のマンガ中毒だったのかもしれない。

 

買ってる雑誌の発売日がどうしても待ちきれないときは、本屋さんに行って単行本を漁ったり。
けど、小遣いには限度があるから、そんなにしょっちゅうは買えないわけで。

 

そんな私のために、近所にあったのが私専用マンガ喫茶

もちろん、そんな昔にマンガ喫茶などという便利なものはありません。
ただの一般家庭。
ただし、その家は店を開けそうなほど大量のマンガ本があったんですよ。

少年マンガしかなかったんだけど、そんなことはマンガ中毒患者にとって大した問題じゃなかった。
名作マンガの単行本がズラリ。
プラス、ジャンプ、マガジン、サンデー、チャンプも揃ってる。
こんな家が近所にあったら、そりゃあ、誰だって入り浸るでしょ。
部屋主不在の時でも、勝手に上がり込んで、私はひたすら少年マンガを読みふけったもんですよ。
(おおらかな時代だなー。)


さて、マンガ誌の最新号が全部出揃ってたとします。
こんな時、何から読む?

 

私は一択で、ジャンプ。
いつも真っ先に手に取るのは、週刊少年ジャンプだった。
ジャンプの絵は彫刻刀で削ったように線がザクザクしてて、荒々しくて、
少女マンガで育ってきた身には、とっつき辛かった筈なのに……。
なのに、何故だか少女マンガに負けず劣らずキラキラして見えたんだよなぁ。
何というのかな、華があるというのかな。
少女向けだろうが、少年向けだろうが、面白いマンガは面白いってことなのだろう。


何歳から何歳頃まで私はあのマンガの家に通ってたのか……。
明確には覚えてない。
ジャンプのギャグマンガ枠、というキーワードで真っ先に思い浮かぶのが、
小林よしのりの「東大一直線」ってことは……。
(ケンベン(試験勉強)してる? 親指大ね。
 とか、好きだったなー。なつかしーなー。)
けど、記憶を深く探ってみると、「トイレット博士」というのが薄っすら思い浮かぶのよね。
ということは、70年代後半~80年代頃だったんだと思う。
私はそんな時代からジャンプ女子だったことになる。

 

でも、不思議。
絵がきれいな分、マガジンやサンデーの方が読みやすかった筈。
それでも、ジャンプが一番好きだったなんて。
順番をつけると、
次が、マガジン。
その次が、サンデーだった。
チャンピオンはちょっと……、子供心にも地味だなーと思ってた(ごめん)

あっ、でも、それぞれの雑誌にお気に入りのマンガがあったんですよ。

 

けど、個別の作品について書き始めると長くなるので、続きは次回に。

 

タイトルがどうしても思い出せない、初めて読んだグルメマンガ

前回、前々回に続いて、今回も里中満智子作品について。

好きだったのに、どうしてもタイトルを思い出せないマンガがあるんですよ。
今にして思えば、あれが私の初グルメマンガ。
すごく面白くって、何度も何度も単行本を読み返した筈なんだけど……。

 

主人公は男女の双子(兄妹だったかも)。
この二人が数々のアイデア料理を生み出すというお話。
イデアと言っても、今なら普通なものだったりするんだけど。

 

たとえば、シュークリームの中のクリームを(卵の黄身と白身みたいに)2層にしたりとか。
今は割と2種類のクリームが入ってるって普通だけど、当時はどうだったかなぁ。
少なくとも、子供だった私は食べたことがなかった。
しかも、綺麗に2層にするためのアイデアとして、注射器を使ったりするの。
もうね、子供だった私はびっくりですよ。
えー、お菓子作りに注射器使うの? って。

 

「製菓用注射器」なるものがあると私が知ったのは、大人になって趣味でケーキ作りをするようになってから。
イチゴにリキュールを注入する時なんかに使うのよね。
(実際に使ったことはないけれど。)
ということは、プロの間では昔からある手法だったのかも。
けど、一般的には知られてない、こういった手法をマンガのネタに盛り込むのって、大変だろうなぁと思う。
でも、だからこそ、読んでて面白かったんだろうなぁ。


一番好きだったエピソードは、創作料理コンテストに出る話。
主人公たちが考え出したのは、「世界一周おにぎり団子」。
アメリカだったり、日本だったりをイメージした、まぜ込みご飯を作って、
それを小さく丸めて串に刺して、お団子みたいにする、というもの。
(確か、アメリカ風ご飯にはコーンが混ぜ込んであった気がする。)

 

この料理を引っ提げて、コンテストに出場した主人公たち。
けど、この料理、結構時間がかかっちゃうの。
なにしろ混ぜご飯を各種用意しなくちゃならないんだから、それだけで大変。

 

他の出場者たちが続々と完成させていく中で、
主人公たちもようやく出来上がり、あとは審査員に食べてもらうだけ。
というところで、
ライバルにドン、とぶつかられ、
世界一周おにぎり団子は、溶き卵のボウルの中に!

 

なんてことをっ!
制限時間も迫ってるのに!
どうする、どうする?
このまま棄権か!? 

 

ここで、ひらめくの。
フライにしちゃえばよくない? と。
で、パン粉をつけて、そのまま油に投入。
すると、

あれ? 揚げてみたら、より美味しそうなものができちゃったよ?
ってなことに。

 

大人になった私は、ライスコロッケというものも知ってるけど、
当時は、この華麗なピンチ脱出劇をワクワクしながら読んでいた。

 

けど、これだけじゃ終わらない。

制限時間ギリギリに、ようやく完成、いざ試食となったものの……。
何故だか、審査員が誰もさらに手をつけない。


実は主人公たちが作り終えたのは出場者中、一番最後で、審査員はもうお腹いっぱいだったんですよ。
しかも、満腹なところに出されたのが揚げ物なもんだから、皆、胸やけ状態。

 

せっかく作ったのに、審査もしてもらえないなんて!

 

そんな中、一人の審査員が食べてくれて……。
それにつられて、一人、また一人と審査員が手を伸ばす。
食べてさえもらえれば、味には自信がある。
優勝は主人公たち……となった筈。
多分……、きっと……。
うー、実は、このコンテストの結末は覚えてないんですよ。

 

タイトルも、肝心の結末も覚えてない。
けど、すごく好きだったグルメマンガの思い出。

ヒット曲の歌詞をモチーフにして描かれたマンガ

忘れな草をあなたに」
この歌のことはよく知らないけど、タイトルだけはしっかり記憶に残ってる。
というのも、うちにあった里中満智子のマンガのタイトルだったから。
曲名だけを拝借したというのではなく、この曲の歌詞をもとに描かれたマンガだった。
っていうか、単行本まるまる1冊が、そういう企画だったのよ。


忘れな草をあなたに」はアメリカ人ハーフの少女が転校してきて、
クラスの男子が全員浮足立っちゃう中、主人公の片思いしてる男子まで
彼女に夢中になっちゃって……というお話。

 

当然、主人公はハーフの子のことが気にくわない。
そんな中、夜の繁華街で働くハーフ少女を主人公が目撃してしまう。
(どんな店だったのか。
 確かバニーガールみたいな恰好だったと思うけど。)

 

鬼の首を取ったように、「彼女はいかがわしい店で働いてます!」と学校にチクる主人公。
ハーフの子はおばあさんと二人暮らしで、貧しくて、
それで、家計の足しにするべく、年をごまかして働いてたんだけど。
主人公のせいでバレちゃったもんだから、アメリカに帰されることになってしまう。
彼女は貧しくとも、おばあさんと暮らしていたかったのに……。

 

主人公はそこまでのことをするつもりはなかったんだろうなぁ。
ハーフの子がアメリカに帰る日、忘れな草の鉢植えを持って空港にかけつけます。
忘れな草をハーフの子に渡して、わだかまりも解消ね。
これでタイトルも回収ね。
と思いきや、途中で鉢を落としたりして、時間に間に合わず。
肝心の忘れな草は渡せずじまい。
ってことは、悪評が立ったこともあり、ハーフの子には見送りゼロ? と思うでしょ。
ところが、男子が一人だけ来てたんですよ。
それが、主人公の思い人でもある彼だったんだけどね。
ここで初めて主人公は彼が本気で好きだったんだと知るわけ。

で、この彼に、飛行機に鉢植えは持ち込めないだろ、冷静につっこまれて、

終わりだったと思う。
でも、確かにね、
これから飛行機に乗るって言ってんのに、鉢植えなんて渡されたって困るよね。


なんとも言えないほろ苦いお話だったけど、

もう一本のマンガはもっとビターなお話だった。
だって、モチーフにした曲がさだまさしの「無縁坂」なんだもん。


この歌、好きだけど、切ないんだよねぇ。

 母がまだ若いころ 僕の手を引いて
 この坂を登るたび いつもため息をついた


この歌詞のように、坂道をのぼる、母親と少女。
坂の上にあるのは、お父さんのお墓。
ひまわりの花を持って、お墓参りに来たというわけ。

ひまわりというのがミソ。
お父さんが特攻隊員だったことを暗に示してるんですよ。


お母さんは若いころ、特攻隊の基地の近くに住んでいて、そこで一人の若い隊員を好きになるの。
でも、その彼にとうとう出撃命令がくだり……。
その晩、お母さんは彼に身を差し出してしまうのよ。
思い出を作りたかったのか、慰めたかったのか。
でも彼の方は、ただ恐怖を紛らわせたかっただけ。
しかも、これ、故郷に残してきた妻の身代わり、なんだよなぁ。
出撃した彼が帰ってくることはなく……。
だから、妊娠の事実も知らぬまま……。


娘はまだ小さくて、自分たちの暮らしに比べて墓が立派なことにも、
刻まれたの名前が違うことにも疑問に思わず、いい点を取ったテストの答案用紙を
墓前に報告したりしてる。
けど、そこへ、本妻とその娘も墓参りにやってきて……。

ここで修羅場が始まったり……はしないんですよ。
見るからに上品な奥様と、綺麗な洋服を着た、その娘。
しかも、娘の年は同じくらい。
お母さんはどうしたかというと、
「生前お世話になったので」とか言って、
娘の手を引き、逃げるように帰っていくの。

その後ろ姿が何とも言えず、切ないんだよなぁ。
頭の中で自然と、サビの部分が鳴り響くような感じ。


 運がいいとか悪いとか 人は時々口にするけど
 そういうことって 確かにあると
 あなたを見てて そう思う
 忍ぶ忍ばず 無縁坂
 かみしめるような 
 ささやかな 僕の母の人生


読んだとき、私はまだ子供だったけど、
それでも、やっぱり胸がきゅーっとなった。
今、手元にないから読み返すことができないけど、
思い返すだけでも、いいマンガだなぁと思う。
歌の方もね。
いい歌だなぁと、しみじみ思うわぁ。


さだまさしの歌は、創作意欲を刺激するんだろうか。
里中満智子以外に、他の漫画家も描いてた筈。
確か、「パンプキンパイとシナモンティー」を題材にして。
作者は誰だったかなぁ。
記憶が定かじゃないんだけど、小橋もと子だったような、違うような……。

ストーリーは歌詞の通り。
喫茶店「あみん」のシナモンティーに薔薇の形の角砂糖を2つ入れて、
シナモンの枝でガラスに三度、恋しい人の名を書くと、愛が叶うよ、
とか、そんな感じの話だった。

もしかしたら、私が知らないだけで、他にも、さだまさしの歌が原作のマンガがあるのかも。
「雨やどり」なんて、そのままマンガにできそうだもんね。