マンガヘンレキ

昔読んだマンガの記憶をかき集めた、思い出ブログです。2018年1月、ブログ再開。

ヒット曲の歌詞をモチーフにして描かれたマンガ

忘れな草をあなたに」
この歌のことはよく知らないけど、タイトルだけはしっかり記憶に残ってる。
というのも、うちにあった里中満智子のマンガのタイトルだったから。
曲名だけを拝借したというのではなく、この曲の歌詞をもとに描かれたマンガだった。
っていうか、単行本まるまる1冊が、そういう企画だったのよ。


忘れな草をあなたに」はアメリカ人ハーフの少女が転校してきて、
クラスの男子が全員浮足立っちゃう中、主人公の片思いしてる男子まで
彼女に夢中になっちゃって……というお話。

 

当然、主人公はハーフの子のことが気にくわない。
そんな中、夜の繁華街で働くハーフ少女を主人公が目撃してしまう。
(どんな店だったのか。
 確かバニーガールみたいな恰好だったと思うけど。)

 

鬼の首を取ったように、「彼女はいかがわしい店で働いてます!」と学校にチクる主人公。
ハーフの子はおばあさんと二人暮らしで、貧しくて、
それで、家計の足しにするべく、年をごまかして働いてたんだけど。
主人公のせいでバレちゃったもんだから、アメリカに帰されることになってしまう。
彼女は貧しくとも、おばあさんと暮らしていたかったのに……。

 

主人公はそこまでのことをするつもりはなかったんだろうなぁ。
ハーフの子がアメリカに帰る日、忘れな草の鉢植えを持って空港にかけつけます。
忘れな草をハーフの子に渡して、わだかまりも解消ね。
これでタイトルも回収ね。
と思いきや、途中で鉢を落としたりして、時間に間に合わず。
肝心の忘れな草は渡せずじまい。
ってことは、悪評が立ったこともあり、ハーフの子には見送りゼロ? と思うでしょ。
ところが、男子が一人だけ来てたんですよ。
それが、主人公の思い人でもある彼だったんだけどね。
ここで初めて主人公は彼が本気で好きだったんだと知るわけ。

で、この彼に、飛行機に鉢植えは持ち込めないだろ、冷静につっこまれて、

終わりだったと思う。
でも、確かにね、
これから飛行機に乗るって言ってんのに、鉢植えなんて渡されたって困るよね。


なんとも言えないほろ苦いお話だったけど、

もう一本のマンガはもっとビターなお話だった。
だって、モチーフにした曲がさだまさしの「無縁坂」なんだもん。


この歌、好きだけど、切ないんだよねぇ。

 母がまだ若いころ 僕の手を引いて
 この坂を登るたび いつもため息をついた


この歌詞のように、坂道をのぼる、母親と少女。
坂の上にあるのは、お父さんのお墓。
ひまわりの花を持って、お墓参りに来たというわけ。

ひまわりというのがミソ。
お父さんが特攻隊員だったことを暗に示してるんですよ。


お母さんは若いころ、特攻隊の基地の近くに住んでいて、そこで一人の若い隊員を好きになるの。
でも、その彼にとうとう出撃命令がくだり……。
その晩、お母さんは彼に身を差し出してしまうのよ。
思い出を作りたかったのか、慰めたかったのか。
でも彼の方は、ただ恐怖を紛らわせたかっただけ。
しかも、これ、故郷に残してきた妻の身代わり、なんだよなぁ。
出撃した彼が帰ってくることはなく……。
だから、妊娠の事実も知らぬまま……。


娘はまだ小さくて、自分たちの暮らしに比べて墓が立派なことにも、
刻まれたの名前が違うことにも疑問に思わず、いい点を取ったテストの答案用紙を
墓前に報告したりしてる。
けど、そこへ、本妻とその娘も墓参りにやってきて……。

ここで修羅場が始まったり……はしないんですよ。
見るからに上品な奥様と、綺麗な洋服を着た、その娘。
しかも、娘の年は同じくらい。
お母さんはどうしたかというと、
「生前お世話になったので」とか言って、
娘の手を引き、逃げるように帰っていくの。

その後ろ姿が何とも言えず、切ないんだよなぁ。
頭の中で自然と、サビの部分が鳴り響くような感じ。


 運がいいとか悪いとか 人は時々口にするけど
 そういうことって 確かにあると
 あなたを見てて そう思う
 忍ぶ忍ばず 無縁坂
 かみしめるような 
 ささやかな 僕の母の人生


読んだとき、私はまだ子供だったけど、
それでも、やっぱり胸がきゅーっとなった。
今、手元にないから読み返すことができないけど、
思い返すだけでも、いいマンガだなぁと思う。
歌の方もね。
いい歌だなぁと、しみじみ思うわぁ。


さだまさしの歌は、創作意欲を刺激するんだろうか。
里中満智子以外に、他の漫画家も描いてた筈。
確か、「パンプキンパイとシナモンティー」を題材にして。
作者は誰だったかなぁ。
記憶が定かじゃないんだけど、小橋もと子だったような、違うような……。

ストーリーは歌詞の通り。
喫茶店「あみん」のシナモンティーに薔薇の形の角砂糖を2つ入れて、
シナモンの枝でガラスに三度、恋しい人の名を書くと、愛が叶うよ、
とか、そんな感じの話だった。

もしかしたら、私が知らないだけで、他にも、さだまさしの歌が原作のマンガがあるのかも。
「雨やどり」なんて、そのままマンガにできそうだもんね。